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特集
2017.04.09

インタビュー…シングルビックケイ代表・柴沼啓さん(後編)

インタビュー…シングルビックケイ代表・柴沼啓さん(後編)

 

千葉県我孫子市に拠点を置くシングルビッグケイ。代表の柴沼さんにショップやSRについての話を聞くインタビューの後編。今回は、ショップの方向性、手がけているカスタムマシンについて、さらに今後のことを聞いた。なぜ初期型をカスタムしているのか、なぜ純正パーツを多く取り扱っているのか……。インタビューで明らかになったので、是非ご覧いただきたい。

取材協力:シングルビックケイ

「長く大切に乗りたい」
柴沼さんが明かすSRに対する思い

編ー実店舗をかまえたのはいつ頃ですか?

柴沼「ネットショップ始めてから、海外で経営者をしたり、違うバイク屋さんで共同経営をしたりしましたが、ここに来て腰を据えたのは2013年ですね」

編ー柴沼さんは、茨城出身ですよね。なぜ千葉県でバイクショップをしようと思ったのですか?

柴沼「僕、アウェーが好きなんです。誰も知り合いがいない場所でやりたかったんですよ。店舗を探している時に、この付近をエリアリサーチすると、近くに『レッドバロン』とか、『バイカーズステーションSOX』もあるから、バイク乗りが多いんだろうなと。しかも、この付近はSRショップが少なかったでしょうから、困っているSRオーナーさんがいるだろうなと思いました。だから、技術があれば勝手にお客さんは来るだろうと踏んだんですよね」

編ーお店では整備とかもやられているのですか?

柴沼「もちろん!任せてもらえれば、整備やカスタムもやりますよ。けど僕、SRの話とか、べらべらしゃべっちゃうから仕事にならないんですよ……だからインターネットに逃げたっていうのはあります(笑)」

 


千葉県にあるシングルビッグケイ。このほかにも茨城県に営業所が存在する

 

編ーお店を拝見すると純正パーツの在庫をかなりストックしていますが、一般的に在庫を持つのはリスクだと思うのですが、どうお考えですか?

柴沼「相当リスクですよ(笑)。経営判断としては間違っている(笑)。オーダーが入った時に発注するのが一番いい……だけど、それは僕が好きじゃない。お客さんには、すぐに提供してあげたいんです。まぁ自分が好きでやっていることだから、最悪自分が無理やり消費しますよ!」

編ー(笑)。リスクを背負ってもお客さんにすぐに提供してあげたいと。

柴沼「そうですねー。在庫を減らすこともできるんだけど、お客さんを待たせるだけだから。その都度『待ってください。すみません』って言うのが嫌なんですよ。また、ご注文を頂いたユーザさんとは組み付け整備のアドバイスや、日ごろ気になっているSRの症状など疑問に感じていることのケアもするのがsinglebigkの本当のサービスだと思っていますからね」

編ーカスタムパーツは真鍮周りが多いイメージがありますが、いかがですか?

柴沼「真鍮には味があるんですよね。金属にこだわりがあるというか……。作っているところが少なかったっていうのもありますが、やっぱり雰囲気がいいよね」

 


店舗には数多くの純正パーツがストックされている

 

編ーシングルビッグケイさんといえば、初期型を多くカスタムしているイメージがありますが、こだわりは?

柴沼「それがね、大間違いなんですよ」

編ーと、言いますと?

柴沼「カスタムが好きで、じつは、カフェレーサー、ボバー、チョッパーって一通りやってきたんですよ。ぐるっと一周して、あえてノーマルチックにカスタムを始めたのが、皆さんの目に触れた頃。なーんか、初期型の重っ苦しい雰囲気に興味を持っちゃったんですよね。それこそオープン当初は、色々やっていたのですが、ただ何度も言うように、表に出るのが好きではないんですよ。自分で勝手にカスタムして、みんなでツーリングに行ったり、集まったりする時にSRの話をするのが好きなんです」

編ー1周してきた時期が今だと

柴沼「ウチは純正部品も取り扱うし、初期型のカスタムもするから、初期型専門店だと思っているかもしれませんけど、僕めちゃくちゃカスタムも好きですからね(笑)。隙あらばエンジンとかイジっておきたい人ですから。どんなにSRがマイナーチェンジしても、エンジンは基本構造が変わらない……。だから一番好きな作業ですね。昔は草レースでハードチューニングもしていましたけど、今はあまりしないようになりました。エンジンに無理させて走っていると、やっぱり壊れるからあまりハードにやらない方がいいなって思ったんです。確かに速く走れるエンジンは作れるけど、耐久性が減っちゃうので……。実用性として欠けちゃうんですよね。やっぱり長く大切に乗りたいので」

 


同店が手がけた初期型SR500

 

編ーもうすぐ10年目に突入するわけですが、いままで振り返ってみていかがですか?

柴沼「やっぱりバイクは面白いね(笑)。歳をとっても昔と同じ遊びをしているわけですから、そりゃ楽しいですよ。バイクに乗っている人って私生活も頑張っている人が多いんですよ。そういう人たちと会って話ができることは財産かな。幼心を忘れないで好きなことやるっていうのはストレスもないし、生きている意味というか……人間らしくていいなって思いますけどね」

編ーこれからチャレンジしたいことは?

柴沼「いっぱいあるんだけどなぁ……でも、これはまだ言えない(笑)。『なんだよ、あいつこんなこと考えていたのかよ』っていうのが、いずれわかると思います」

編ー最後に読者へ一言お願いします。

柴沼「シングルビックケイを暖かかく見守って下さい。(笑)。SRはいいバイクなので、自信を持って乗り続けてください。もうね、みんなで仲良くやろうよ! 雑誌を買って、イベントに参加して、みんなでお金使って盛り上げないと、バイク屋も出版社も潰れちゃう。そうなると、ひとりでバイクをイジるか、ひとりで走りに行くかになるんですよ。そうすると行き場もないしね。『あそこの部品欲しかったのになぁ』って困るのはお客さんだからね。一言じゃまとめられないけど、とにかく暖かく見守ってください! 当店はユーザーさんに還元できるパーツやサービスを提供できるようにこれからも頑張っていきます。是非、お店にも遊びに来てくださいね」

編ーありがとうございました!

 

170322
シングルビックケイ代表・柴沼啓さん
同社代表でDJや海外で働く経験を持つ異色の経歴の持ち主。SRに人生を捧げる決意を持っており、インタビューの最後には「今年は動きますよ」と語ってくれた。今後も柴沼さんとシングルビックケイから目が離せない!

 

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