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2016.08.24

ESSAY/カメラマン 井上 演/「バイク写真のススメ(基本編)」

ESSAY/カメラマン 井上 演/「バイク写真のススメ(基本編)」

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少しの気遣いでグッと良くなる!
黄金比率の7:3を撮ってみよう!

いやぁ、毎日暑いですね!暑くても太陽ギンギン&青空の中、SRで風を受けながら走るのが気持ち良かったりもしますね!

さて、今回はタイトルの通りバイク写真の撮影についてです。
写真は撮りたいように撮ればいいと思うし、間違えなんてのは無いのですが、普段僕らがどのような事に気をつけて仕事としてバイクの写真を撮っているのかを少し紹介したいと思います。

モデルは僕のSRです。(笑)

まずは、良く無い例からです。
良い雰囲気の景色の中にバイクを入れて撮影するとして、やってしまいがちなパターン。

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撮影者が立ったままの目線でバイクのすぐ近くで撮影。
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バイクはそっぽ向いてしまってる感じだし、頭でっかちに見えてなんだかカッコ良く無いですね。

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レンズが広角です。広角レンズはその名の通り空間を広く写す事ができますが、ゆがみや歪みが強くでるので、普段僕らが仕事で車両紹介用の写真を撮る時には、意図が無い限りは使いません。

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目立つ大きなキーホルダー類は、見せたい物で無い限りは抜いてしまいましょう。

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タイヤの汚れもオフロードで泥まみれの写真を狙う時以外はできるだけキレイにしましょう。

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駐輪時の習慣で左イッパイにハンドルを切ってしまいがちですが、まずは姿勢がよく見える真っすぐの位置にしたいところ。ネック部の配線など、ゴチャゴチャも写るし、なによりライトの前面が見えないとそっぽ向かれてるみたいです。

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それら注意点を直していきます。写真はタイヤの土を手で払っているところ。

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ちなみに、見えても意味のない看板等があった場合は画面から外します。
看板は強烈に目立つので、気をつけましょう。

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バイクを少し動かすだけでスッキリ!

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レンズは望遠で!画面のゆがみ&歪みが少ないのでオススメは200㎜。ボケ感も丁度よく調整しやすいです。

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三脚使用時以外、手ブレ補正機能がある場合は必ずON!
文明の利器は使うべきなのです!
自分はブレずに撮れるという自意識過剰は禁物です(笑)。

 
それでは、いよいよ望遠レンズで撮ってみます。
遠くの物を手前に寄せるレンズなので、当然バイクから離れていきます。
丁度良い大きさまで自分の足で下がります。

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望遠レンズで立ったままの場合。
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どうでしょうか?前の写真と比べればバイクの形は圧倒的に良くなりました。
構図としては背景が地面で埋まって悪くないですが、迫力はイマイチです。

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次にしゃがんでやや低い位置から撮ってみます。
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かなりスッキリしました!

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さらに低い位置から撮るとこうなります。
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空が大きく抜けてさらにスッキリとした背景になりました。
低い位置から撮った事で迫力もでてきました!

 
このように、撮影する高さの違いで背景やバイクの見え方も変わってくるので、撮影する車両の雰囲気や形に合わせて僕たちは撮っているのです。

ここまでの写真は全て地面で水平を取って撮影していますが、バイクがカメラに対して前後している分、画面上で傾いて見えてしまっています。これでもダメでは無いのですが、その傾きを補正する為にバイクのタイヤで水平を取って撮影する事もあります。

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わかりやすいように赤線をひいてみました。
傾きが無くなり、バイク本来の形が伝わるかと思います。
ただし、その代わりに背景が傾くので地平線やシャッター、電柱などの垂直水平の背景が目立つ際は注意が必要です。斜め感が強くなってしまうので、そんなときは背景重視で良いと思います。

はじめにそっぽを向いていたライトをこちらに向けたことで、バイク全体のスタイルが分かるようになりました。このようにバイクのサイド面7割、ライトorテール面3割が見えるようにすることで、より立体的に撮れるのです。
これがバイク撮影の基本と言われ、黄金比率の7:3(シチサン)です。
説明的な車両紹介用の写真としては絶対必要なカットだったりもします。
是非、まずはこの「シチサン」写真を撮ってみてください!

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寝転びカメラマンの異名を持つ? 僕は地面と仲良し。(笑)
シチサン写真を応用して、地面すれすれから車両の形を崩さずにイメージカットを撮る事もあります。

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バイクを上向きに傾けるように撮影する事で更なる迫力と同時に写真の左上と右下に余白が生まれます。
雑誌等ではこの場所に文字がデザインされたりする訳です。例えば年賀状用とかに文字を入れる余白を意識すると良いかも知れませんね!

 
余談ですが、ライト面が見える7:3を「表シチサン」、テール側から撮る7:3を「裏シチサン」なんて僕たちは言ったりします。
今回はマフラー側の表シチサン写真を用いて説明していますが、もちろんテール側からだったり、マフラーと反対側も撮ったりします。

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真横から撮るのもカタログ的でいいですよね!
これもやはり意図が無い限りは望遠で撮ると良いと思います。

最後に、木々と青空を見上げて空間を広く見せたくてイメージカットを撮ってみました。
レンズは24㎜と広角です。

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あえて広角で撮ってますので、ゆがみと歪みは良しとしてます。
角度は7:3より深めにしました。
広角のゆがみ感を弱める為にあえてハンドルを少し右にきって、フロントから迫るような雰囲気で撮ってみました。
望遠レンズでは撮れない独特の雰囲気があって、こんなのも良いですよね!

 
いやぁ、写真って楽しいですね!
みなさんも是非7:3(シチサン)写真にチャレンジしてみて下さい。
ではまた!

 
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著者プロフィール
essay-inoue000
フリーカメラマン
井上 演(いのうえ ひろむ)
以前バイクショップで6年間メカニックとして働き、整備士資格を取得。その後カメラの道へ入り、現在はフリーカメラマンとして、多くのバイク雑誌やカタログの撮影を行う、自称「乗って弄れるカメラマン」。撮影機材を担いで愛車のSRで取材に行くことも多い、根っからのバイク好き。
そんな井上さんのフォトスタジオ「C’est Beau(セ・ボー)」はコチラから!!

 
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