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2020年05月13日

フルノーマルの緩さ/9-GATE 細井啓介【ESSAY】


春のポカポカ陽気に誘われて、SRでちょっと散歩。

といっても本当にちょっとの散歩。

古物商の、営業所届出を3月末日までにやらないといけないのを思い出した。
(編集部注:この記事は2020年3月20日の9GATE 公式ブログより転載しています)

警察署に車を止めるところが無いわけじゃないけど、ほとんど止められた事が無いので、SRで行っちゃおうって言うだけ。

こう言うときは、大型だと一々出すのに億劫になるので、機動力の高いSRっていいよね。

とりわけフルノーマルとなると、始動性や乗り心地などなど、諸々を含めて気を使わなくていいのが最高だと私的に思うわけです。

キック2~3発で始動。FIってどういうわけかしばらく始動してないと、かかりにくくなるよね。

でも、2~3発くらい蹴れば始動する。そして、アイドルアップも勝手にする。

暖まれば、アイドリング回転数が勝手に落ちてくる。

高所に行っても調子は崩さない、パーシャルで街中をず~っと走っても、高速を全開走行しても至って普通。可も無ければ不可も無い。

当たり前のことなんだけど、この「当たり前」がキャブのSRで出来るか。

出来るけど、FCRなどを入れてもなかなか完璧は難しい。

CVにパワーフィルターを装着した「スカチューン」でも、この当たり前の事は勿論可能だが、どこかで何かの調子は確実に崩す。むしろFCRの方が調子いいくらい。

ただ当たり前にキックを蹴って、エンジンを始動する。

当たり前に走り出す。

この当たり前の動作にノーマルのインジェクション制御の偉大さを感じてしまうんです、私。

そして春のポカポカ陽気の中、信号待ちしているときに、ある事に気づいた。

ふと、フロントアクスルシャフトの部分を見ていたら、アイドリング時に全然ゆれていない。

たぶんSRに乗った事無い人には、何言ってるの?? かも判らない。

キャブの頃のSRだったり、フロントフェンダーをショート化したSRなんかだと、信号待ちの時

ものすごいフロントアクスルシャフトの部分が前後に振動してるんですよ。

それがSRらしいっちゃSRらしさだったりするから、個人的に”ソレ”が不快だとは思った事が無かったけど、このバイク、全然揺れてない。当たり前のことにまた感動(笑)。

もしや地味にクランクのバランス点が変更されたのか??? ありえなくは無い。

それともピストン重量やコンロッドの重量、ウエイトの位置がFIで変更になっていたのか???? などと、たわいも無い事を、さも、大発見したった!かの様に、考えをめぐらせながら街中を走る。

こんな事を書いておきながら言うのもなんだけど、そんな大げさな事は無い。

ただ自分の所有しているSRが、「正しいノーマル」なだけで、ノーマルのSR400FIはこういうもんなんだろ。

思えば、このSRを所有するまで、正しいノーマル、例えば新車のSR400から乗った経験があるか? と言われれれば、正直無い。

仕事柄いろいろなSRを試乗する事もあるけど、基準が本当に判っているのか?は疑問である。

もしかしたら昔は知っていたのかもしれない。でも遥か昔過ぎて忘れていた。

正しいノーマルを。

ましてや時代は2020年。キャブレターからインジェクションに変わり、排ガス規制や音量規制など、さまざまな規制をクリアしてきた昭和のマシン。

知っていた昔の正しいノーマルと今時の正しいノーマルが違っていたとしても、なんの不思議もない。

正しいノーマル。自分の感覚をニュートラルに戻す。基準点からもう一度色々な思考をめぐらす。

カスタムを否定しているわけじゃない。むしろ私はカスタムする方が好き。

ただ、基準点を失ってしまったマシンで、足回りやブレーキ、エンジンをいじったとしても、どれだけ良くなったのか? ノーマルと比べてどうなのか?は判断できない。

ヘタすりゃ改悪になることだって沢山ある。

そんな事を考えながら、いつもより大分遠回りして散歩した私の誕生日(3/13)でした。

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協力:ナインゲート
※この記事は9-GATE 公式ブログ(2020313日)より転載、加筆修正したものです。

 


著者プロフィール

9-GATE(ナインゲート)
細井啓介
SRに限らずスーパースポーツ車もメンテナンス/モディファイをおこなう。エンジンビルドや足周り換装も得意とするが、基本的にはメンテナンスがメイン。2019年にフルノーマルSR400(4型)を購入!!

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