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2018.12.31

ESSAY…9-GATE 細井啓介/「いまさら聞けない“ガソリン”の話」

ESSAY…9-GATE 細井啓介/「いまさら聞けない“ガソリン”の話」

寒い! 12月になってから驚くほどに季節外れな暖かさな日が有ったと思えば冬本番の寒い日もあります。先日とあるお仕事で御殿場まで出張したのですが、外で待っている間はまるで冷蔵庫の様な温度(笑)流石に耐え切れず車で暖房全開にするも水温計がなかなか上がってこなくて凍えるかと思いました(笑)。温度差が激しいこの季節、皆さん体調管理には充分お気をつけて正月を布団で過ごすことの無いようにしてくださいませ。

さて、常にネタが枯渇してます私としてはブログなどの作業報告みたいな短文は書きなれているものの、エッセイとなりますと話は別です。ということで今回は、バイクが動く上で、無くてはならない「ガソリン」のお話でも書かせていただこうかと思います。

ガソリンには“ハイオク”と“レギュラー”がある

もっと細かく言いますと沢山あります。例えば“ベンジン”もガソリンですが、上げ出すとキリが無い事と、普段私たちが多く接するのは上記の2種類なので、これだけ覚えておけばバイクやカーライフを送る上で問題ないかと思いますのでこの2種類の特徴からお話しします。

レギュラーガソリン(無鉛レギュラーガソリン)とハイオクガソリン(無鉛プレミアムガソリン)の違いは「オクタン価」と言う数値の違いで分けられます。このオクタン価と言うのは、高ければ高いほどノッキングを起こしにくいいわゆるアンチノック性が高くなります。なんだか専門用語がいきなり沢山でてきましたね(笑)。

簡単に申しますと、レギュラーガソリンよりハイオクガソリンの方が値段が高い分性能が良いと考えてください。但し、ハイオクガソリンの方が性能が良いからといってめったやたらにハイオクガソリンを入れれば良いというものでもありません。ハイオクガソリンを入れてもパワーが上がったりもありません。

ではハイオクガソリンは入れる意味無いんじゃない? となりますよね? だけどハイオクガソリンが必要となる場合もあるのです。これを理解するには、エンジンの基本的な仕組みを知る必要があります。

高圧縮エンジンには必須のハイオクガソリン

例えばハイコンプピストンなどを使ってボアアップしたマシンの場合、ノーマルのエンジンに比べてエンジンが燃やそうとする混合気(ガソリンと空気が混ざった気体)は高圧縮となります。圧縮され、高温下に晒されますと混合気はプラグからの火花を待たずして勝手に発火しちゃったりします。これを自己発火といいまして、いわゆる「ノッキング」と言う現象となります。

こうなることを未然に防ぐ為に高圧縮エンジンには、高オクタン価のガソリンを使用します。高オクタン価のガソリンだからパワーが出るわけではなく、ハイパワー・ハイコンプなエンジンだからこそ、ハイオクガソリンが必要と言うわけです。

ハイオクガソリンは、ノッキングを防ぐ成分がレギュラーガソリンに比べて多く入っているわけですが、逆に言うと燃えにくいと言う性質も併せ持っているという事です。燃えにくいという事はそれだけカーボンも出やすいので、それを相殺する洗浄成分も入ってます。

個人的結論を書いてしまいますが、無鉛レギュラーガソリン指定のノーマルエンジンにハイオクをいくら入れようと効果が無いどころか、カーボンの堆積を起こしやすくなるリスクを理解しておく必要があるという事がわかるかと思います。

逆に無鉛ハイオクガソリン指定のエンジンにレギュラーガソリンを入れると、ノッキングなどで最悪エンジンを壊す事可能性があります。

では、これらをSRに置き換えてみた場合の話ですが、キャブのSRでもFIのSRでも取扱説明書には「無鉛レギュラーガソリン」となっております。つまり、レギュラーガソリンで充分と言うことになります。

しかし、ピストンをハイコンプなどにしている場合は話しは別です。個人的には圧縮比10.0:1以上であればハイオクガソリンを使用したほうが良いかとなとは思います。

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協力:協力:ナインゲート

著者プロフィール

9-GATE(ナインゲート)
細井啓介

SRに限らずスーパースポーツ車もメンテナンス/モディファイをおこなう。エンジンビルドや足周り換装も得意とするが、基本的にはメンテナンスがメイン。自身のSRは昨年売却してしまい、新たなSRを製作中!

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