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特集
2018.10.06

ESSAY…9-GATE 細井啓介/「エンジンオイルってとても大事」

ESSAY…9-GATE 細井啓介/「エンジンオイルってとても大事」

SRが遂に40周年を迎えましたね。空冷2バルブシングルエンジン、オイルインフレームによるドライサンプと構造は非常にシンプル。騒音や排気ガス規制などを受けながら進化して、他の車種がラインナップから消えるなか、ついに40周年モデルです。決して燃焼効率の良いエンジンとは言えませんし、加えて熱的に厳しい空冷。パワーと希薄燃焼の両立は想像よりも遥かにハードルが高いものです。

燃料のガソリンそのものを薄くすれば、当然ですが排気ガスはキレイになります。しかし、燃焼温度が上がり、排気温度も上がります。どうしても空冷では厳しい。主流が水冷になっていくのは必然です。それなのに空冷エンジンのまま現行モデルを続けるという時点で、SRに対するヤマハさんの情熱と技術力ってすごいな~と、日々思うのです。

F.I.になり、それまでのモデルに比べてパワーが無いなどと以前良く言われていた時も有りましたが、個人的にはF.I.化されたモデルが「遅い」と思ったことはありません。キャブレターモデルに比べて「鼓動感が」というお話を聞く事もありますが、個人的にはこれも感じたことはありません。「鼓動感」を出したい場合の改善策はあります。

キャブレターモデルのSRと比較した場合、どうしてもF.I.は理解するにはなかなか大変なメカニズムですので、エンジンを弄るにはキャブレターモデルの方が敷居は低いですが、F.I.にはF.I.の良さがあるのです。とはいいつつ、熱の問題は上に記したとおり、F.I.環境はキャブレターモデルと比べた場合、とても厳しいものがあります。

今年の夏は各所で最高記録を更新してしまうほどの暑さでした。

サーキットでも路面温度は60℃を超えてしまい、タイヤもあっという間にタレてしまうほど。暑すぎて、マシンも人間も完全にオーバーヒート。サーキットでこの状況ですから、街中をストップ&ゴーで走るマシンはもっと過酷です。

じつは街中の方が、サーキットを走るよりもある意味で過酷な条件だったりします。特に空冷のSRにとっては過酷です。都心部などを走る場合、走行風を満足に当てることができず、風以外の冷却媒体となれば、エンジンオイルしかありません。キャブレターから送り込まれるガソリンも冷却に一役買いますが、F.I.の場合はあまり期待ができません。

つまり、F.I.車に乗ってらっしゃるオーナーさんこそ、キャブレター車よりもエンジンオイルを、よりシビアにキチンと管理する必要があるわけです。

よりシビアにと言われても、いったいどうやって何を管理すればよいのか? なかなか難しいですよね。

使用するエンジンオイルにもよりますが、わかりやすいのは
・色
・粘度
・オイル量
といったところでしょうか。

あとは自分の「感覚」が大事です。

上記3つは、フレームにあるフィラーキャップの部分で判断することができますので、とても簡単です。

フィラーキャップを外して、キレイなウエス(出来れば白い紙や布が良いかと思います)で受け取ります。

そこでエンジンオイルの色をまず見ます。こげ茶色や黒くなっている場合は、オイルがだいぶ汚れている証拠です。交換しましょう。しかしオイルによっては紫であったり緑であったりしますので自分がどんなオイルを使っているのかを普段からお付き合いのあるショップさんで把握しておくことが大事ですよ。

色を見終わったら、ウエスでフィラーキャップのフレームに刺さる部分を拭きます。

そしてもう一度フレームにフィラーキャップをさして、今度は残量と粘度を見ます。

純正のフィラーキャップであれば「網状」になった部分の中間位置くらいにオイルが付着していればOKです。オイルが付着しないもしくは、下の部分にしか付着しないなどの場合はオイルが減っています。減っているからといって慌てなくてもOKです(付着していない場合は慌てる必要があるかも!?)。オイルを補充もしくは、交換する時期と考えてください。

多くの方は網状の部分にオイルが付着していると思いますので、ここで指に付着したオイルを取り、親指と人差し指で粘度を確認します。さらさらしているようならオイルが劣化している証拠。交換しましょう。ある程度の粘り気を感じるくらいが正常です。

稀に、フィラーキャップが硬くて外せない!という場合もあります。

その場合は、布を使って優しくプライヤーなどで挟めば回せると思います。

エンジンオイルの管理を怠れば、エンジン内部の部品は消耗を早めますし、故障の原因にもなります。オーバーホールともなれば、それなりの出費ともなります。

愛車と永く付き合っていく為にも、必須なメンテナンスです。オイルの種類にもよりますが、値段も様々です。高いオイルを入れれば壊れないわけでもありませんし、安いオイルをマメに変えたからといって意味はあまりありません。

またオイルによっては、SRのエンジンと相性が悪く、シフトフィーリングが悪くなったりする場合もあります。

なかなか自身でオイル交換を行える環境の整った方ばかりではないと思います。

前にいつ交換したっけ?? なんてならないように、日常から点検を心がけるだけで愛車を調子よく保てますよ!

ではまた。

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協力:協力:ナインゲート

著者プロフィール

9-GATE(ナインゲート)
細井啓介
SRに限らずスーパースポーツ車もメンテナンス/モディファイをおこなう。エンジンビルドや足周り換装も得意とするが、基本的にはメンテナンスがメイン。自身のSRは昨年売却してしまい、新たなSRを製作中!

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