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2020年10月13日

内燃機加工の世界に革命を!/井上ボーリング 井上壯太郎【ESSAY】


写真:井上 演

ICBM® のシリアルナンバーが400番を超えました。001番はSR-ICBM® だったんですよ。KAWASAKI H2-ICBM® やZ2/Z1-ICBM® などに続いてSR-ICBM®は好評をいただいて繰り返しお納めしています。
そしてiBはこの秋、ICBM® 【永久無償修理】で内燃機加工の世界で革命を起こそうと思います。

エンジンが楕円に減るものだから、内燃機屋(ボーリング屋)がシリンダー内径をもう一度丸く削りなおして、オーバーサイズピストンを入れられるように修理する。これが内燃機屋の仕事です。これは67年前のiB創業時からなにも変わっていない、ボーリング屋にとっての本分です。

ところが、ICBM® は「減らない」シリンダー仕上げです。もちろん減らないと言っても物理的にはまったく減らないわけではありませんが、事実上エンジンの寿命を遥かに超える耐久性を持つ内径仕上げがICBM® アルミメッキ化スリーブなんです。

このことをiBは2016年にICBM® が登録商標をとり、あらゆるサイズに対応可能となってから4年、できる限りの方法で多くの方にお伝えしようと努力をしてきました。これが功を奏して最近はICBM® のご用命もずいぶん増えてきました。ありがたいことです。それでもまだまだICBM® という名前もアルミメッキスリーブの美点も理解されていないかたが世の中にたくさんおられることも事実です。

ひとつには古くからのメカニックのかただと、大昔のポーラスメッキなどのシリンダー がメッキのピストンリングと焼きついて苦い経験をされたことをいまだに覚えていたりすることがあります。確かに当時のシリンダーメッキはクローム系のものしかありませんでしたから、今も大半のピストンリングに採用されているハードックロームメッキとは相性が悪く、すぐにやきついてしまうものでした。同種の金属同士は摩擦すると溶け合ってしまうんですね。この印象を強く持っていて、メッキシリンダー は弱いなどと考えている方がいまだにおられます。

また、一時SRのメッキシリンダー を製作されているショップさんがあって、こちらのものは無電解メッキだったらしく、実際に焼き付いたりメッキが剥離したこともあったようです。現在は改善をされているようですが、そのことがメッキの印象を悪くしてしまった点もあると思います。

もちろんICBM® に採用されているメッキは現代の多くのバイクメーカーが採用しているニッケルシリコンカーバイド系のメッキでハードクロームメッキとは相性がよく、シリンダーが減らないだけではなくピストンリングのほうの摩耗も鋳鉄スリーブに比して抑制できることはまだまだ知られていません。

ICBM® のメッキ硬度はニッケルの地の部分でビッカース硬度450程度、中に含まれているシリコン粒子の硬度はビッカース硬度が2,000と鋳鉄の100~150程度とは桁違いの硬さを誇っています。メッキがほんとうに硬く摩耗しないということは紛れもない事実です。おまけにアルミメッキスリーブは軽くて滑りが良く焼き付きにくく、膨張率の均一化ができてなおかつ錆びません。理想のスリーブなんです。

ただ、このような物理的な事実を羅列しても、多くのかたにとってはこれをほんとうに理解することはなかなか難しいのだろうと思います。

 

ICBM® 【永久無償修理】

そこでiBではここで
「『減らない』メッキスリーブが万が一使用限度を超えて磨耗した場合には、再メッキをして修理をします。またそれをなんと無償で行います」
という宣言をいたします。

実際にいままで400件のICBM® アルミメッキスリーブをお納めしてきましたが、1件たりともクレームは発生していません。すでに数万キロ走行したエンジンが複数あり内径を測定しても

有意な摩耗は測定できていません。数ミクロン程度のちがいでほぼ測定誤差の範囲内しか数値の差異を見出すことができないんです。

ですから、このICBM® 【永久無償修理】を実施しても実際には修理のコストが発生する可能性は極めて低いと我々は考えています。大事なことはこのICBM® 【永久無償修理】の報に接したお客様にからみても、我々が「多くの修理をやるはめになるとは考えていないのだろう」ということが容易に想像がつくだろう、ということです。

「よほど自信がなければ、【永久無償修理】など発表できるはずがない」ということは、どなたにでもわかるだろうと思うからです。

このことで、ICBM® がオートバイの世界でさらなる信頼を勝ち得て、多くのかたにご採用いただけることをiBとしては期待しています。

 

【EVERSLEEVE®】販売開始

この秋、iBはもう一つの大きな発表を控えています。それがこの【EVERSLEEVE®】(エバースリーブ)の販売開始です。技術的な説明はここでは避けますが、これはICBM® アルミメッキスリーブをメッキ工程とダイヤモンドに砥石よるプラトーホーニングを済ませた「完成品スリーブ」として単体販売しようという試みです。【EVERSLEEVE®】はすでに登録商標となり、また現在特許申請中となっています。

このスリーブの販売が実現すると、いままではiBにしかできなかったオールアルミのシリンダー を製作することが、どこのボーリング屋さんや機械加工業者さんまたは機械加工の腕をお持ちのバイクショップさんや果ては個人の方でもできるようになる、ということなんです。

もともとアルミバレルに鋳鉄スリーブのシリンダーをオールアルミのシリンダーにして、問題をかかえていた鋳鉄スリーブシリンダーを理想的なシリンダーに変えるという、現状は日本だけでなく世界でも稀に見るICBM® 技術が、どこの加工屋さんでもできるようになるんです。

iBはアルミメッキスリーブの技術でお客様を囲い込むのではなく、この技術を開放して日本中の内燃機屋さんに取り扱っていただきたい。そのことによってみんなの力で旧いバイクに現代のバイクにも負けない耐久性を与えて、未来まで大事にしていけたら!と願っているんです。

ICBM® 【永久無償修理】【EVERSLEEVE®】販売開始、この二つの施策によって、旧態依然とした内燃機加工の世界に革命を起こしていきたい。それが今年の秋のiBの重大発表です。

今回の発表は正直リスクをとっての挑戦です。ぜひ、The SR Timesを通してiBを知ってくださったみなさまの応援をお願いしたいと思います。よろしくお願い致します。

 

ICBM®の技術はシリンダーに鋳鉄スリーブとは比較にならないほどの革命的な超長寿命を与えて、そのことで旧いエンジンに長く大事に乗り続けていただきたい・旧いバイクを大事にしていただきたい、ということなんです。iBが掲げている基本理念にしっかりと沿った新技術・新製品になっています。現在はあらゆるエンジンに対応できるようになりましたが、特にSR用には完成品キットも用意してご用命をお待ちしています。

SR-ICBM®のシリンダーはShop SR Timesでもお買い上げいただけますので、ぜひご検討いただければと思います。

iBの得意技術ICBM®が登録商標になりました!

[I]noue boring [C]ylinder [B]ore finishing [M]ethodの略です。

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協力:(株)井上ボーリング

 


著者プロフィール

(株)井上ボーリング
井上 壯太郎(いのうえ そうたろう)
1953年創業、(株)井上ボーリング代表。エンジンのついた乗り物が大好き。仕事もエンジン、遊びもエンジン。トライアル・モトクロス・ロードレース。バイク以外ではボートを使って水上スキーやウェイクボード。現代世界はエンジンでできているのです!

 

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井上ボーリング自社でアルミスリーブを製作して、これにメッキ加工を施したスペシャルなシリンダーと、ヤマハ純正400㏄用φ87ピストンのセット。

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