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2019年08月13日

ESSAY…井上ボーリング 井上壯太郎/「夏の夕暮れにオートバイに乗る。」


夏の夕暮れにオートバイに乗る。こんな幸せは他になかなか見つかるもんじゃ、ありません。
実はオートバイというのはこのことのために発明されたのではなかったのか? ついそう想ってしまうくらいに。

エアコンでなくて扇風機を作ろう!と思い立ったとしますよね。

どうやったら、全身にくまなく風があたって涼しい扇風機を作れるのだろうか。

風量もできるだけ大きい方がいい。それにはファンをどのように大きくしたらいいのか。

どのように首振りさせたら、全身にうまく風があたるのだろうか。

そうやってあらゆる研究を重ねた末に、

「あ!そうだ!!」

と逆転の発想がひらめいたのです。

ファンを動かすのではなくて、逆に人間の方を時速60km/hで大気中を移動させればいいんじゃないのか!?

そうすれば全身にくまなく風が当たるばかりではなく、どうせ移動するならどこか景色がいいところまでいけば、ついでに風景の変化も同時に愉しめるじゃないか!

体だけではなくて、心まで涼しくなってしまうじゃないか!

みなさん知らなかったでしょうけれども、実はこうして発明されたのが「オートバイ」だったんです!!!

なんてまあ、そんなわけはないでしょうけれども、「もしかしたらそうなんじゃないか?」と思わせるほど、夏の夕方にSRを走らせたら気持ちがよかったっていうことなんですよ。

今回は同行の友人河内さんが2008年モデルの青いSRを買ったって言うんで、

それじゃあiBのSR-ICBM® for VMXと一緒に名栗湖まで行きましょうっていうことになりました。

モータージャーナリストの先川知香さんにも両モデルに比較試乗してもらいます。

斧型超軽量クランクとICBM® シリンダーを組み込んだiBのSRと、マフラーがキャブトン型になった以外はほぼノーマルの河内さんのSR。

チューニングの成果を確認するにはいい取り合わせだと思います。

まあ、iB井上自身は自分が目指したチューニングの成果であるSR-ICBM® が大のお気に入りであるのは当然ですが、ふたりがそれぞれのSRを乗り比べてどう感じるかには興味はありました。

でも、この小文は「エッセイ」ということですから、堅い比較試乗レポートはまた別の機会に譲りたいと思います。

そこにだけ興味のある方がいたら、すみません。

夏の夕方にオートバイに乗ること。その気持ちよさ。それはほんとうにもう最高で、オートバイっていうのは、ほんとうにこのためだけにあるんだとしても、その存在意義は十分じゃないか、と思うくらいです。

暑くて暑くてたまらない夏の日の夕方、少し風に涼やかさが戻り始めたそのとき。

オートバイにまたがって気持ちのいい風の中へ走り出す。

ひとりでももちろん全然問題ないし、ふと思い立って走るとなるとフツーは一人でしょうね。

でも、もしある暑い夏の日の夕方、申し合わせて走り出すことができる仲間がいるとしたら、こんなに素敵なことはありません。

国道16号のすぐ近くにある河内さん宅から、名栗湖はほんの40分ほどの距離。とても手頃なプチツーリングの目的地です。

埼玉県西部のこのあたりの道を知り尽くした河内さんの案内で走ると、16号を離れたその瞬間から道は広々とした狭山茶畑の中を抜け、そのまま山あいの森の中、小さな集落を貫くワインディングロードを愉しんでいると、名栗湖まではあっという間に着いてしまいます。

「気持ちよかったですね!」

「最高~ですね!」

そんな言葉しか出てきません。

「なんか景色もスコットランドにでも来たみたい。」

「ほら、あの奥の山の重なり具合、あれってまさにレオナルド・ダビンチの空気遠近法ですよね?」

小さな湖でしかありません。そんなに遠くまで来たわけでもありません。

でも、夕なずむ風景の広がり具合がどれだけ日常から遠く離れているか、

というのはそんな現実の距離とはまた別のスケールで測られるべきものなのでしょうね。

お互いにバイクを交換して、小さな湖を周回してみます。それぞれのバイクはそれぞれに個性を主張して二人を愉しませてくれます。

同じバイクでも小さな違いでこんなにも異なった愉しみを感じさせてくれるんだ! 新らしい発見に二人の心は踊ります。

簡単な乗り比べが済んだ後は湖からほんの5分ほど。眺めが良いカントリーカフェ「ターニップ」へ。

思い出話、仕事の話、家族の話、そしてSRの話。

初めて会ったばかりなのに、不思議に話は弾みます。

オートバイに乗って長距離ツーリングに行ったり、サーキットやモトクロスコースに挑んだり、どれもとても愉しいのは間違い無いんですけどね。

でも、オートバイの本当に素晴らしい価値は、こうして僕らのちょっとした時間を眩しく輝かせる力があるっていう、そのことに尽きるんじゃないのか。

そんな気がしてなりません。オートバイを仲立ちにして見ず知らずの二つの人生がつかの間行き交うことがある。

自分とは年齢も職業も性別も全然違うけれども、尊敬できる生き方をしている人が愉しく暮らしていることに触れることができる。

オートバイがそんなことの役にたつとしたら、いったいそれ以上に何を求める必要があるでしょうか。

SRをチューニングした成果。その内容も大事なことではあるんですけど、こうやって知香さんを夕暮れの名栗湖に誘い出す口実になったという偉大な功績に比べれば、エンジン回転数でトルクがどうした、なんてことは実はどうでもよくなってしまう。

それもまた間違いのない真実なのだろうと思うんです。

「エンジンで世界を笑顔に!」(株)井上ボーリング


モータージャーナリスト 先川 知香
様々な2輪・4輪雑誌およびネットメディアで活躍中。
http://chika-sakikawa.com

ICBM®の技術はシリンダーに鋳鉄スリーブとは比較にならないほどの革命的な超長寿命を与えて、そのことで旧いエンジンに長く大事に乗り続けていただきたい・旧いバイクを大事にしていただきたい、ということなんです。iBが掲げている基本理念にしっかりと沿った新技術・新製品になっています。現在はあらゆるエンジンに対応できるようになりましたが、特にSR用には完成品キットも用意してご用命をお待ちしています。

SR-ICBM®のシリンダーはShop SR Timesでもお買い上げいただけますので、ぜひご検討いただければと思います。

iBの得意技術ICBM®が登録商標になりました!

[I]noue boring [C]ylinder [B]ore finishing [M]ethodの略です。

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協力:(株)井上ボーリング

 


著者プロフィール


(株)井上ボーリング
井上 壯太郎(いのうえ そうたろう)
創業60年以上、(株)井上ボーリング代表。エンジンのついた乗り物が大好き。仕事もエンジン、遊びもエンジン。トライアル・モトクロス・ロードレース。バイク以外ではボートを使って水上スキーやウェイクボード。現代世界はエンジンでできているのです!

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