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特集
2017.08.31

ESSAY…井上ボーリング 井上壯太郎/「クラシックレースの魅力」

ESSAY…井上ボーリング 井上壯太郎/「クラシックレースの魅力」

クラシックレースなら僕でも愉しめます。

公道を走るマシンに速さを求めない僕のような人間でも、クラシックレースならサーキットで愉しむことができるんです。もちろんクラシックとはいえレースですからね。いざコースインすれば真剣に速く走ろうとはします。でも、クラシックレースでの価値が、ただ0.01秒でも速く走って勝てばそれでいいというわけではないこともまた明らかです。

 


参加のハードルは比較的低い

iB井上はほんとに公道でバイクで飛ばすということに興味が持てなくて、峠道で飛ばしたことさえほとんどないんです。だって怖いし危ないし違法だし、なんでそんなことする人がいるんですかね。そんな僕がサーキットでレーサーを走らせるなんて、あり得ないようにも思われるでしょうが、ところがそんなことができて、しかもそれが愉しいっていうのはほんとに不思議ですよね。クラシックレースではそういうことが起こりうるんです。

写真は2012年末でしばらく前ではありますが、自分自身で出場して愉しんでいた頃のものです。この頃Legend of Classic(LOC)のレースで筑波では2度クラス優勝、富士スピードウェイでも2位に入ったことがあります。マシンは大好きなBULTACOの METRALLA MKII(1966)。クラスは「ライトウェイトA」です。

公道で飛ばしたことがない僕がいきなりレースに出たのでは、いくらクラシックとはいえ簡単に勝つことはできないと思いますが、僕はその前の数年「DE耐!」などのミニバイクレースに出ていて、これがとてもいい練習になっていたことは間違いないと思います。そうはいってもライダーの技術的にとんでもなくハードルが高いということはないですよね。

またマシンの方も僕のは純粋なレーシングマシンではなく、ナンバーがつく公道用のマシンの保安部品を取り払った程度で、特別に速くなるような改造はしていませんでした。また、レギュレーションでも今時のパーツや当時なかったような技術で大きな改造をすることは認められていません。タイヤもバイアスタイヤのみということです。

マシンのほうも年式だけは72年以前のマシンを探してこなくてはいけませんが、それ以外の点ではやはり始めるためのハードルは低いといえるのではないでしょうか。


その一方、趣味としてのレベルは高い!

始めるためのハードルが低いということを最初にご紹介しましたが、それではクラシックレースは単なるレベルが低いレースなのか? というと、これがそうではないのが素晴らしいところなんです。現代のレースだとしたら、ハードルが低くてスピードが遅ければそれは「レベルが低い」ということと直結してもしかたがないところです。ところがこれがクラシックレースではそうはなりません。現代のマシンと比べて遅いとはいえ、旧いマシンを完調に整備し走らせることは、そんなに簡単なことではありません。かえって現代のマシンを走らせるより困難な面があるだろうということは想像に難くないと思います。部品の調達ひとつとっても簡単ではありませんし、それなりの知識や経験が必要です。

そして旧いマシンの中には大変に高価で貴重なものも含まれます。そのような歴史的に貴重なマシンを実際にサーキットで全力で走らせるなどというのは、ある意味、大変に贅沢な大人の趣味であるといえるでしょう。バイクのメカニズムや歴史的な意義などに精通していないと、ただ「バイクを速く走らせる腕がある」というだけでは、クラシックレースの場で周囲の尊敬を集めることはできないと思います。

つまり現代のレースとはまた違った意味で、レベルは相当に高いと言えます。趣味としての次元では現代のどんなレースにも負けないくらい、実はレベルが高いのがクラシックレースなんです。


2017.8/20筑波サーキット LOC rd.3

 
iBは今もLOCやTOTなどのレースに出展したり、レースをサポートしたりしています。それは内燃機屋としてエンジンを使って愉しめるイベントを応援していくのは当然なことだと思うからです。エンジンを使って愉しめる最高の方法の一つがこのようなクラシックレースだと思います。

SR好きの皆さんもぜひクラシックレースにも関心を持って観戦や参加をしてみてください。SRをカスタムする上でもヒントが得られるかもしれません。また、旧いバイクと生きるという点でも参考になることがきっとたくさんあると思います。

 
動画「2016 LOC rd1」
2016年の筑波サーキットの模様です。ぜひご覧ください!

LOC2016-1 from sotaro inoue on Vimeo.

 
 
「エンジンで世界を笑顔に!」(株)井上ボーリング

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ICBM®の技術はシリンダーに鋳鉄スリーブとは比較にならないほどの革命的な超長寿命を与えて、そのことで旧いエンジンに長く大事に乗り続けていただきたい・旧いバイクを大事にしていただきたい、ということなんです。iBが掲げている基本理念にしっかりと沿った新技術・新製品になっています。現在はあらゆるエンジンに対応できるようになりましたが、特にSR用には完成品キットも用意してご用命をお待ちしています。

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協力:(株)井上ボーリング

著者プロフィール
inouesotaro
(株)井上ボーリング
井上 壯太郎(いのうえ そうたろう)
創業63年、(株)井上ボーリング代表。エンジンのついた乗り物が大好き。仕事もエンジン、遊びもエンジン。トライアル・モトクロス・ロードレース。バイク以外ではボートを使って水上スキーやウェイクボード。現代世界はエンジンでできているのです!

 
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