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2016年03月11日

インタビュー/モト工房ティーポB代表・北平英二さん


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設立20年を超え、いまも精力的にカスタムマシン製作やパーツ販売を続ける大阪の老舗ショップ「モト工房ティーポB」。歯に絹着せぬ物言いで、多くのSR乗りに慕われる同店代表・北平さんにお店設立の経緯やこれまでのバイク歴、そしてカスタムのことや愛犬についてまで……まさに根掘り葉掘り聞いた!
取材協力:モト工房ティーポB

 
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大阪の老舗の遍歴を語る
そして今、北平さんが思うこと。

編集部 (以下、編)ーお店はいつからされているんですか?

北平英二さん(以下、北平)「1994年くらいちゃうかなぁ。」

編ー20年以上前ですね。それまで何をされていたんですか?

北平「サラリーマン。生まれが1949年やから、45歳くらいの時かな。40歳くらいから、ボチボチやり始めてたから。」

編ー今で言う、脱サラってやつですね。

北平「そうやね。SRが全盛期の時やな。だいたいカフェレーサーがメインやったからなぁ。自分の好みでやってるから(笑)。その頃はレストアしながら店開けとったんや。CB72とか、CB93、CL72とかね。手持ちがその辺あったからな。お店開けた頃は、SR結構おったよ。学生が結構おってね。まぁモーターサイクルの全盛期っていうのは2000年前後までくらいか。」

編ーそこからスクーターブームが来て、根こそぎ持って行った(笑)。

北平「楽な乗り物にいくっていうのは時代の流れやろなぁ。だから、このあたりではチョッパー乗りは珍しいよ。あんなしんどいポジションで(笑)。お客さんにおるけど彼は奈良とか和歌山とか山越えしているからね。あとは、50代のおっちゃんとか、定年退職したおっちゃんとかね。その人は去年定年退職して、その時にSRを600までしたんや。岩手・青森・秋田とか20日でまわったって言ってたなぁ。元気な人が多いよ。」

 
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カフェレーサーのイメージが強い同店だが、チョッパーを製作することもある。
ちなみに、この車両のバージョンアップは近日公開予定!!
 

編ーオープン当初は学生が多かったのですか?

北平「年齢層は若かったなぁ。年齢的に幅広い層がいたのは、やっぱり10年ほど前までやろなぁ。」

編ー旧車ばかりイジっていたとお聞きしました。では、SRをメインにしたのは?

北平「旧車ばかりだったのは、本格的に店を開ける前。オープンするにあたって、ペイトンプレイスの木下社長にお願いして姉妹店のような形にさせてもらったから、オープンしてからはSRをメインでやっていたよ。」

編ー木下さんとは昔からのお知り合い?

北平「そうやね。といっても、僕らがSRに乗り始めた頃は、大阪にあるのはダブルエムとペイトンプレイスくらいやったからね。ペイトンプレイスの木下社長はいろいろ相談にも乗ってくれたし、それで『姉妹店でオープンしようか』って話になって……。木下社長とは同い年やけど、あの人、面倒見がいいいからね。」

編ー福岡県のデルスラーラや和歌山県のティンマシンも、ペイトンプレイスの姉妹店ですが、ティーポBはじめてのペイトンプレイス姉妹店?

北平「そうやね。初!」

編ーそこから今に続くモトティーポB……現・モト工房ティーポBがはじまった、と。
では、話をもっと前に遡ります。北平さんは、いつからバイクに乗っていたんですか?

北平「16歳か18歳くらいかな。最初はカブやったかなぁ。50年前やから半世紀前や(笑)。」

編ーSRはいつから?

北平「発売された次の年に買ったから、1979年。それをずっと乗ってたね。で、カスタムしたりで、5~6年は乗ってかな。買おうと思った当初はSRなんか売れてなかったから、堺あたりのバイクショップ行ったら、新古車で売れ残りが置いてあったんや(笑)。その頃、登録料入れて35~6万円やったかなぁ。

編ー売れてなかった……ですか(笑)。SRは発売当時、どういう扱いだったのですか?

北平「ビッグシングルで、キック始動っていうこだわりがあって、だから僕はSRに興味を持ったんやけど、世間的にはやっぱりキックでかけるのと、あの振動が世の中の乗り手にまだ受け入れられてなかったんちゃうかな。僕はちょうどライダースクラブを78年くらいから読み始めてたんやけど、79年に巻頭でSRのインプレッション記事が載っていて、それを見て買ったんや。ええことは書いてたけども、やっぱりなかなか売れなかったんやね(笑)。」

編ーSRを5~6年乗って、それからは?

北平「その後はイジる方がメインになって、SRに乗るのは遠ざかっていったな。」

編ーお店をオープンする前はホンダCB系のレストアが多いとおっしゃっていました。プライベートでもCBに乗ることが多かったのですか?

北平「そうやな。ホンダは80年代まで、F1に出ていたでしょう。僕はマニアではないけど、四輪のレースも好きやったからね。その影響もあってホンダは今でも好き。」

編ーたしかに、お店の名前は四輪にちなんだものですもんね。

北平「そうやね。まあ、それもどっちかいうとイタリア車ファンやけどね。」

編ードゥカティにはいかなかったんですか?

北平「ドゥカティもいきたかったけど、やっぱ(商売としては)難しいわ。値段が高いし、ドゥカ乗りはこのへんもあんまりおらんしな。まだウチはSRやからこの辺でやっていけるけど、英車やイタ車で店にお客さんを呼ぶっていうのは難しいよ(笑)。」

編ーでは話をホンダに戻します(笑)。CB系のなかでもとくにCB72が好きということですが、SRと共通する点はありますか?

北平「2つともデザインや機能に余分なものがない、というところかな。あとは、あの頃までのバイクには手作り感があるからな。」

編ー現行の最新モデルとは全然違いますよね。なぜ、あれができなくなったんでしょうかね……。

北平「デザイナーや設計者は『古いものを作ろう』という考えはないやろうしね。基本的には前を見て、新しいものを作っていくのが仕事やから。それに今のユーザーはクオリティをそこまで求めへんやろうし、エンブレムもステッカーでいいんやろうしね。バイクは趣味性の高いものやし、オーソドックスなものを作ろうと思えば作れると思うんやけどね。だけど、そういうのを作っても(上層部から)「売れへん!」って言われたら、作られへんのやろうね……。」

編ーお店のことをお聞きします。モト工房ティーポBといえば、カフェレーサーなどのカスタムマシンに加え、オリジナルパーツも人気です。これらはオープン当初からリリースされていたのでしょうか?

北平「そうやね。最初はシングルシート。だけどこのシートは1人しか乗られへんから、今はセミダブルの方がオーダーは多い。一番人気やな! だけど1人で貼って塗って、(完成までに)時間かかるやろ? お客さんには「早く!」って、よう怒られてる(笑)。」

編ー自分1人で作られるんですか?

北平「2階がFRPの作業場。塗りのスペースもいるから半分ずつで分けてやってる。FRPというても、作るのはシートくらいやからね。そんなに大きなスペースはいらんねん。あとはアルミを削ったり叩いたりを、別のスペースでやってる。」

編ーFRPの技術はどこから学んだのですか?

北平「独学。FRPはな、やろうと思えば(自分で)やれるよ。FRPで一番肝心なものは『型』。アルミの型をきっちり作ってしまわないと、メス型作られへんからな。そうすると製品化できないから。そりゃ一番手間暇がかかってるから、料金も高くなるわな(笑)。」

編ーだけど、ティーポBのシートはよく見ますよ。

北平「ありがとうございます(笑)。手軽に自分で変えられるもんはシートくらいしかないからね。それをずっと続けてるから。」

編ーだけど実際、ティーポBのシートは、イメージもガラッと変わりますもんね。

 
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モト工房ティーポBの代表パーツといえばシングルシート!
写真はキッズガレージによるフルカスタムSRに装着されているもので、ティーポBに限らず、多くのショップ製作のSRにも採用されているのだ。
 

カスタムマシン製作から
パーツ作りをメインに

編ー2009年に店舗を移転して、ショップ名も「モトTipoB」から「モト工房TipoB」に変更しました。

北平「まぁ、『工房』を入れただけで、要は物づくりメインでやっていこうかなっていうのがあった。歳とともにね(笑)。」

編ー2009年といえばちょうど60歳ですよね。

北平「当時はフルカスタムのお客さんも減ってきているというのもあったしね。モノを作って売って……それでメシが食えたらええかって。欲がなくなってくるねん。あれが欲しいとかこれが欲しいとかな(笑)。」

編ー新パーツの予定は?

北平「新パーツって言うてもなぁ……いろいろ考えてはいるけど、ボルトオンでつけられるような品物っていうても、なかなか難しいねぇ(苦笑)。」

編ー今後はカスタム製作とオリジナルパーツの販売、さらにWEBサイトには「レストレーション(レストア)」も書かれていましたよね。

北平「そうやね。だけど、レストアするような車両がおれへんもん(笑)。」

編ーたしかに、車両がなければ仕方がないですね……。あと、ティーポBといえば「看板犬」のイメージがある方も多いと思います。

北平「SRミーティングとかで、皆さんによく知られてるのは、たぶん2代目やね。2頭おるんやけど、ラブラドールのラブとさくら。ラブは賢くて、さくらはガツガツした性格でね。ラブは3ヶ月の時で、さくらは1歳すぎてからウチにきて。ラブで15年、さくらで14年と長生きしたよ。」

編ーSRミーティングで盲導犬の募金をやってらっしゃいました。きっかけは?

北平「ラブラドールを飼うまでは、目が悪い人のこととか盲導犬についてなんて深く考えたことはなかったんやけど、飼いだしてから気になりだしてね。盲導犬協会へのアクセスはこちらからしたのかな。ラブラドールは盲導犬に仕込まれることが多いんやけど、やっぱり疲れるみたいで。それで盲導犬が引退した後に引き取って育てることをボランティアでやっている人も多くてね。その人らに対する募金というか基金というか、そういうことがしたかったというのが、きっかけかな。」

編ー北平さん自身が自分で調べて、盲導犬協会とコンタクトをとった。

北平「そうそう。自分自身が五体満足やから、そこまで気がつかなかったけど、五体満足やからこそ気にかけてやらなあかんかな、と。まあ、ラブラドールを飼い始めたのがきっかけやね。」

編ーそうやって気づいても、なかなか行動に移す人はいないですよ。

北平「サラリーマンをしてたら、仕事から帰ってきてメシ食って寝るだけになるやん。でも今は、店に1人でおったりするやろ? それでネットとかメディアとかで調べたら、あらためて『こんなん(盲導犬)があるねんなぁ』って思ってな。普通の生活してたら無理やわ(笑)。」

 
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現在のモト工房ティーポB・看板犬「カズ」
 

編ー今の看板犬のカズは、もともと東日本大震災で東北にいた子なんですよね。

北平「カズは女の子で、徳島のボランティアで預かっているっていうのをネットで知ってな。」

編ーいつから北平さんのところに?

北平「去年の1月かな。それというのも、ラブが2013年1月、さくらが2014年の秋に亡くなって、それから毎日1人でおったら、全然動けへん生活になってな。そうすると足腰が弱ってきて……もう歳やし。若けりゃそうでもないんやろうけど、今はもう犬がおらんと、積極的に散歩に行ったり、足腰を動かしたりっていう、日常的に歩くことがなくなっていくからなぁ(苦笑)。」

編ーいやいや! カズと毎日散歩に出かけて、まだまだ元気なままでお願いしますよ! ティーポBのカスタムを楽しみにしている読者や、オリジナルシートを装着したいっていうSR乗りはたくさんいますから!!

北平「そやな、ありがとう。」

編ー本日は、ありがとうございました!

 
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モト工房ティーポB 代表 北平英二さん
 

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