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2017年08月22日

ESSAY…9-GATE 細井啓介/「空冷エンジンには辛いシーズン到来」


気づけばもう8月も終盤、あっという間にお盆も終わり、日常が戻っていますね。かく言う私、今年はオープン初年度につき、世間様のお盆休みは店を開けてみようと試みました、細井です。

お盆休みは皆さん楽しまれましたか? ロングツーリングなど、出かけられましたか? ロングツーリングなどでこの時期に出かけますと、ほぼ高確率で道路は渋滞していますよね。炎天下での渋滞、スリヌケもままならぬ状況で、ライダーは太陽の日差し、下からはエンジンの発熱と体力の奪われ方も想像以上です。熱中症にだけはくれぐれもお気をつけくださいませ。

このエッセイを書いている時点で、ついに関東は40℃気温接近予報が出ております。実際に外へ出ますと、すぐそこのコンビニに買い物に行くにも、日中工場へ引篭もっている身体にはキツイです。ついついお客さんのマシンの試乗も、夕方から夜にかけてになりがちです。そんな訳で、人間ですらそんな状況ですから、当然マシンもしんどい状況下に置かれている訳です。

水冷車であっても電動ファンは回りっぱなし、空冷であれば走行風を当てられない状況となりますと、あっという間に油温は120℃台へ突入します。都心のGO&STOPの状況下では、まともな走行風を空冷フィンに当てることが出来ず、一旦上がってしまった油温は容易には下がりません。エンジンオイルにとっても非常に辛い状況です。マメなオイル管理がエンジンの寿命を大きく変えてきますので、この時期は注意が必要です。

ハード面ですと、オイルクーラーの装着などはこの時期、とても有効な手段になります。

昔のスズキ車なんかのサービスマニュアルを見ると、明らかにオイルクーラーな部品が標準で装着されているのに、マニュアル上では「オイルリザーブタンク」と表記されていたりします。

オイルクーラーなのにリザーブタンク???? となりますが、あながち間違いではありません。リザーブタンクと表記されているのは、この頃の時代背景が関係しているのです。

その昔はカスタムに対して非常に厳しい時代がありました。オイルクーラーと聞くとどうしてもパフォーマンスパーツを連想してしまいます。恐らくそういった時代背景に配慮して付けた名前が「リザーブタンク」だったのでしょう。

あながち間違いではないと書きましたのは、このオイルクーラーのラジエター部分にもオイルが入るため、エンジンにありますオイルパン(SRであればフレームのオイルタンク)の容量以上にオイルを蓄えることが出来るからです。

オイルの容量を増やすことが出来れば、必然的にオイルの温度上昇のスピードを遅らせることが出来ます。(しかし単純なリザーブタンクですと、温度上昇するまでの時間稼ぎしかできません)

リザーブタンクに放熱させる機能を設けられば、リザーブタンク内のオイル温度は下がり、冷却効率に一役買うわけです。

オイルクーラーも各メーカーさんで様々なデザインが発売されています。皆さんのカスタムに似合うものをチョイスしてみてください。

ですがその前に、キチンとしたオイル管理が大事ですからね!

オイル管理が適当だと、せっかくのパーツの性能を引き出せないばかりか、エンジンを壊す事にもなりかねません。

よくあるのが、距離そんなに乗ってないからといって、一年くらい平気でオイル交換しない方。

距離で管理するのは間違いではありませんが、常に外気温と湿度にオイルはさらされており劣化していきます。短距離しか走らないエンジンにとって、ことさらにオイルは厳しい環境化におかれています。エンジン内部にも、例えるなら窓ガラスに起きる「結露」と同様のことがおこっております。

この結露で落ちた水分を吸収するのもオイルの仕事です。水分を含んだオイルは通常ですと、温度が上がることで蒸発していき、ブローバイガスと一緒に吐き出されるのですが、蒸発しきる前にエンジンを停止してしまったりするとオイルは水分を飛ばすことができず、劣化が急速に進みます。

ベストは、季節の変わり目にごとに、距離を走っていなくても交換することです。SRの場合、オイルフィルター交換時でも2.1リットルと、さほど入りません(オイルクーラー装着の場合、多少増えます)。少量しか入らないからこそ、マメにオイルを交換して、どのシーズンでも絶好調で走りたいですよね!

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協力:ナインゲート

 


著者プロフィール
diary003-01
9-GATE(ナインゲート)
細井啓介
2016年まで東京POSHで製品開発を担当。とにかくエンジンで動くものが大好物。
愛機は写真のヤマハ・SR500改540(1987年)とホンダ・VTR1000F。

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