取材協力:デルスラーラ
写真:小川伸晃 文:佐賀山敏行
※2015年11月10日の記事を再編集しました。
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チューニングエンジンに強化された足周り。そして外装は80年代スポーツを思わせるアグレッシブなもの……デルスラーラが最も得意とするスタイルを凝縮したのが、ここに紹介する1台だ。
まず外装に目をやると、フューエルタンクは純正で、後端にオリジナルタンクカバーを装着。純正タンクにボリュームを持たせることでルックスの大きなポイントとするとともに、スポーツライディングに最適なライディングポジションを提供。オリジナルSR-Dシートと相まって、シルエットを大きく変えている。
レーサーライクなスタイリングを決定づけているのは、やはりロケットカウルだろう。これはペイトンプレイス製で、本来ならばトラディショナルなイメージになるものを、全体のフォルムにうまくマッチさせ、デルスラーラ流のスタイリングにしているのは流石だ。そして、サイドワインダーズによるペイントがマシンに疾走感を与えている。
足周りは、フロントフォークは純正ながらもインナースプリングはハイパープロ。前後ホイールはスポークながらも17インチ化し、リム幅を太くすることでタイヤ選択の幅を広げている。リア側は、スイングアームはベルトラン製角型、リアサスペションはオーリンズ・レジェンドツインという王道の組み合わせである。ブレーキだって、フロントブレーキはキャリパーがブレンボ、マスターシリンダーはゲイルスピード・鍛造ラジアルマスターシリンダーと抜かりなし!
さて、エンジン周りに目を移す。キャブレターはヨシムラジャパンTMR-MJNをチョイスし、エキゾーストは手曲げフルチタン。美しいカラーが印象的だ。排気量は523ccで、カムシャフトはST-1を装着している。行き過ぎたチューニングではなく、シングルの鼓動感を楽しみながらも十分な速さが予想できるセッティングだ。
軽快さのなかに最高のパフォーマンスを詰め込む。シングルロードスポーツとしての楽しさを追求した、デルスラーラらしいマシンだといえよう。